翻訳、ローカライズ化、コピーライティングにはどの様な違いがあるのか?
海外のお客様に自社のマーケティング資料の内容を伝えたい時は、いくつかの方法で自分の考えを表現できますが、あなたにとって一番良い方法は何でしょうか?
「翻訳とは何か」について誰もがご存知でしょうが、翻訳とローカライズ化の違いはご存知でしょうか?
また、コピーライティングとは何でしょうか?
これらは非常に似てはいるものの、それぞれのかかわるプロセスが実際に異なります。ここでは、それらの違いについてメリット・デメリットも含めて説明し、あなたのグローバルビジネスの需要に関して情報を得た上での決断を下す際の手助けとなりましょう。
翻訳
翻訳はソース(元の)言語の内容・口調・表現方法に忠実に従いながら、その内容を文字通りに目標言語に訳するプロセスです。
目標言語の文化的背景にあわせて修正を加えることがほとんどありません。
言い換えれば、内容が全く一緒となります。
直訳の典型例として、「蟻の木登り」が挙げられますが、これは定番の中華料理である「螞蟻上樹 (ma-yi-shang-su)」を直接日本語に置き換えた日本語訳です。ただし、これは中華料理についてあまり知らない日本語の母語話者を戸惑わせる表現かもしれません。よって、これは食品関係のビジネスや英語圏の市場に参入したいレストランにとって、明らかに言葉の壁となってしまいます。
翻訳はこの三者の中で最も効率的でかつ費用が安いかもしれませんが、ソース言語の文化的背景が目標言語と大きく異なる場合、その訳が堅苦しく、下手に見える可能性があります。
また、仕上げた文書が読み手にとってなじめない内容となりかねないため、あなたのメッセージは理解しにくく、あまり説得力のないように感じられます。
経験の浅い翻訳者にあたってしまったら、会社のブランドが潰されることもありえます。マイナス影響を避けるには、翻訳メモリ(TM)―決まった表現に重要な用語や語句を訳してほしい―を構築することが一つの方法です。そうすることにより、翻訳の一貫性および正確性を高めながら、有能な翻訳サービスの提供者ともに協力をします。
ローカライズ化
ローカライズ化は目標言語に適合するように工夫し、相手にとって文化的に適切な文書として仕上げます。硬い直訳ではなく、ローカライズ化は目標言語の文化を考慮に入れるため、意味を同じようにしても地元の期待に沿って実例とイメージを変えたりします。
例えば、イスラム教国において文化的にそったマクドナルドの広告でしたら、豚肉はメニューから外されます。引き続き「蟻の木登り」の例で説明しますが、この中華料理をもっと適切でローカライズ版にするとしたら、「春雨と豚ひき肉のピリ辛炒め」と訳すでしょう。
翻訳に比べると、ローカライズ化はいくつかのメリットがあります。まず、ローカライズ化は直訳と完全なコピーライティングの間に存在するそこそこの妥協であることです。また、コピーライティングに比べると、時間と費用において比較的に少ない投資で済みますし、自分の表したいメッセージの意味から逸脱せずに、読み手のための「親しさ」も取り入れているので、より共感を得やすくなります。
翻訳メモリを構築することでもアウトプットの品質を大いに高められます。一方、ローカライズ化は完全な書き直しが必要とされないため、提供されたソース言語の有効性および品質に制約されることがあります。
コピーライティング
コピーライティングまたはトランスクリエーションは、はるかに創造的な方法でソース言語を再作成するプロセスです。
この場合制限が大幅に少なくなり、内容と作業の流れについて作業者に自由を与えます。
グローバル規模の販売キャンペーンに関しては、これが最も効果的です。なぜならば、作業者はソース言語の文脈に制限されずに、創造力を大いに発揮し、貴社のブランドや企業のメッセージを忠実に伝えられるからです。実際にビジネス目的に合わせて違う内容を作り出すことが可能で、ただの翻訳だけでなく、現地語を使って表現しますので、対象とする相手から最大の共感を得られることができます。
コピーライティングは長時間にわたる話し合いのプロセスで時間がかかるため費用が高くかかるかもしれません。創造的才能を活かしてもらいながら、グローバル規模のブランド化における全体の一貫性に悪影響を与えかねない作業者の主観性をほとんど排除することができます。
なお、元のメッセージがビジネス目的に応じて修正・変更されることもあります。その代わりにコピーライティングの主なメリットとして、誤訳のリスクを最小限に抑えること、そして仕上げた文書がより人の心をひきつけ、現地の読み手から共感を得られやすくなることが挙げられます。これはブランド化において極めて重要なことであり、これから参入しようとする市場で最もターゲットとなるお客様の興味を引く方法でもあります。